鉄腕バーディー DECODE 第9話「The champion of justice」雑感

 僕は趣味が悪い。

 だから千川少年のあるいは初恋かもしれない淡い慕情が打ち砕かれるだろう未来にウキウキするし、得体のしれない化学兵器に冒された少女が行く宛てのない衝動に悩まされる様にだってドキドキしてしまう。

 ついでに言えば幼い使命感に燃える早宮とか、下劣な商売を生業としておきながらつい若かりし頃の自分を肯定してみたくなってしまった中年とかもものっそい萌えてしまう。

 ただ、想いの散華が見たいだけではない。
 僕が見たいのは、その先だ。

 ひとつの体系とすら言えるような、生き様が見たい。どのようにこの理不尽に立ち向かうのか、見てみたい。
 そしてたぶん、勇気づけられたい。

 いや、まったく以て趣味が悪いとは思う。

 けれどまー、許してね。

 そんなわけで今回はクライマックスが近いこともあり、インターミッションのようで結構な情報量がありました。

 シャマランの目的は神の預言者、あるいは代行者にでもなりというということで、なんか最近もどっかで見たような気がします。中ボス臭プンプンですがな。
 もっと大物かと思っていたのに、残念。

 ゲオルグが言っていた「あの女」はいったい誰のことなのか。裏でカペラと繋がっているのか、リュンカのことなのか、バーディのことなのか。
 カペラがもっとも妥当ですけど、だとするとやけに回りくど過ぎる。そもそもシャマランの傍に置く理由がない。

 繋がっているわけではなく、「あいつそろそろ邪魔だなー」程度なら分かるんですけどね。

 超兵器であるところのリュンカを辺境の惑星で育成して、外交の道具にでも使うんでしょうか。威嚇にも使えるし、「連邦の失態アルヨ」と叩くにしても、使えるんでしょう。
 でもちょっと壮大過ぎるぞ。

 銀河を舞台にした陰謀劇と千川少年が軸で動く探偵の助手ごっこ

 物語としての落とし所とドラマとしての落とし所をうまく重ねるための中杉さんなんでしょうが、それにしても“遠い”なー。

 普通に少年の成長+なんちゃってロマンスとしてしか観られないよっ。