『MinDeaD BlooD 』 プレイ日記その3

 今日も今日とて輸血箱ちょいちょい。

 『夏への扉』エンド、『支配者の為の狂死曲』エンド見ました。なんだかもはやモブにも思えるサブキャラたちがわんさかいて、『狂笑曲』を抜いても6つほど未見のエンドがあるような気がしますが、もうゴールしてもいいよね?あ、『狂笑曲』は見ておこうかな、SD絵はもちろんしずるがすぐ砂になるのが楽しいですし。

Cyc公式
まるごと MinDeaD BlooD 通常版

 まずは『夏への扉』エンド。なんだか昨日書いたことまんまな感じでしたが、つまり麻奈は鏡写しのもうひとりの自分を見ることで、人間らしい振る舞いを演じていた、ということなのよね。

 この園原姉妹を混淆させ、ひとりのキャラクターに仕立て上げると、由良さまがパッと思い付く。でもでも麻由は最初から壊れていますし、実のところしずるへの執着も「宝物を集める心持ち」であって、情は薄い。

 だから自分で言っといてなんですがあんまり似てはいないんですが……両作品ともヤンデレブームの萌芽というか、ある種魁だったのかなー、なんて。何だろう、幻想に囚われることを恋と呼び、それを凝らせたものが純愛であるとするならば、それはやっぱり人として狂っちゃっているんだよね、というか。

 とはいえ、そういう狂気を楽しむのが、恋愛なんだろな。それは眺めるだけでも楽しいし、浸るのも楽しい、かー。グロテスクだけれどしょうがないよね、フィクションだしいいよね!

 そうそう、『夏への扉』エンドはマインデッドブラッド中でもっとも暖かみのあるエンディングでありましたね。囚われのお姫さまを枷から解き放つ、か。輸血箱どころかマイブラにおいて、“枷”とは多くの場合吸血鬼としての本性純化した欲望)を抑え込む“人間性”を指していましたが、このエンドはもっと踏み込んで「家族」や「(永遠の享楽という)モラトリアム」を、枷としたのかな。
 だとすればうまく出来ていたように感じられましたね。

 安易に吸血鬼としての本性純化した欲望)を捨て去ったり抑え込んだりするのではなく、そういった欲求ともうまく付き合っていこうとしていくように見えたのも好感。バランス大事、ちょー大事。

 ひとつ気に掛かるのは、これからの二人の行く末かな。まずどうやって暮らしていくのかとんと見当が付かない。

 あの状態になって、彼らはまだ吸血鬼として生きていけるのかな。もう、そんな生き方は心が欲さなくなっているように、否定してしまうように思えてしまう。
 あるいは、人に塗れて生きていくする。しかし、この場合、戸籍も何もなくて生きていけるのかな。疑問は尽きない。

 たとえば普通に人に塗れて過ごし、都合が悪くなるときだけ吸血してしもべを増やし、やり過ごす。そんな生き方をすればまずうまくやっていけるでしょう。ただこれは吸血鬼として生きていく以上に、度し難い。
 “生きる”ということを、放棄するも同然だ。

 まー、“幸せ”を信じたいんですけどね。や、案外うまくやっていけてるのかもしれません。
 もしかしたら吸血鬼同士の互助組織とかあるかもですし、ウインターハーツのマスターを頼ってもいいのかもしれません。二人とも吸血衝動が限りなく薄いというのは幸運。

 マイブラ本編のエンドと同じく、未来がどちらに振れるかわざと見えないようにしたニュートラルエンド。これは意識しているのかどうかわからないんですが、薄っぺらいハッピーエンドよりよっぽど好きですね。

 次に「支配者の為の狂死曲」エンド。……そうだよね、これぐらいやらなきゃ麻奈は幸せになれないよねぇ。

 というのが、途中まで感じていたこと。

 たぶん、このエンドはメインキャラクターみんなを一度に幸せにしちゃおうぜが骨子にあるハーレム&ハッピーエンド、だったんでしょうね。

 ……正直、悠香なんかは本編の「VAMPIRE HUNTER」エンドよりよっぽど幸せそうですしね。

 ただ、このルートには僕の好きだった“七瀬しずる”はいなくて。ロウ、カオス、ニュートラルで言えばまんまカオス。

 彼の可能性のひとつ、未来の結果のひとつではあるんだけれど、ヴァンパイアロードとしての彼は、“好きだった頃”の残り香を感じさせるだけに、僕は見ていて辛かったかな。

 某ランスくんは紛う事なき“英雄”から徐々に凡人に、“ただの人”に変わっていくから萌えキャラなのであって、その逆の過程を辿られると、僕としては哀切を感じざるを得ない。

 思う存分欲望のままに振舞ったあとに悩んで、苦しがって、それでもその状態から安易に抜け出そうとはせず、その苦しみを受け容れた彼が好きだったのになぁ。それでいて安易な自己犠牲にも、走らなかったというのに!!

 一番割を食ったのは沙希だと思うんですが、しかし、彼女の言い分を受け容れるのは受け容れるで難しい。だって、彼女は「過去のしずる」を求めているというか、思い出に囚われてそこから抜け出せない人にも見えてしまう。
 「過去への贖罪」では過去だけでなく現在のしずるも受け容れていたのがよかったのよね~。

 あ、僕は吸血支配による主への忠誠を、情愛とは認めていないので。ありさ悠香、園原姉妹あたりは認めてもいいけれど、沙希はねー。その説得力に欠けていたかな。

 ……それにしても支配、かー。随分孤独な道を歩くのだね、しずるきゅんは。彼には甘える存在が必要のような気がする。いるのかな、そんなことが出来る人が。“人形”しか、彼の傍にはいないんじゃないかな、って思うよ。

 残りの詳しい感想は、まー、狂笑曲クリア後にでもします。スタッフコメントにも触れたいな~。