雑記とか その98「僕が近況をあまり詳細に書かないのは以前からの仕様ですorz」
最近読んだ本は感想がすこぶる書き難いというか、白銀のカリティアード、デカルトの密室、リアルバウトハイスクールと僕の中で繋がっちゃっている事項をどう文章に書き起こすべきかもにょもにょしているというか、つーかR.U.R.U.R.Uとデカルトの密室は火の鳥あたりと絡めて別枠で語るべきなんじゃねーのというか、何だか頭の中で混濁しちゃっているんですよねぇ。どうしたものか。
そんなわけで今日の記事はいつも通り以上にもにょもにょと読み難いはず。ごめんなさい。
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本筋からはいささか外れるお話をしますと、僕は本作が発表されたときにほとんど初めてJ・さいろーさんに注目しまして。
正直、このひとがどんなひとかあんまり知らなかったんですね。ゆのはなと夜刀姫斬鬼行は遊んだことがあるけれど、いまいち担当パートが分からず、顔が見えなかった。分かるのは、それなりに名の通った美少女ゲームライターさんであることぐらい。
でまー、ひととなりを知るため、というか、筆致をある程度知っておこうと、ものぐさな僕は氏がライターを務めるゲームではなく、ノベルの方に手を出したのですよ。とりあえず、入手の容易な4冊のみですけども。
・月光のカルネヴァーレ ~白銀のカリアティード~ 全三巻
幻想の息づく街、ベルモント。
ある日、少年ギャング団・バレットラと彼らの目付役であるアレッシオのもとへ二体のオートマタがやって来て……。
というのが大まかなあらすじ。
ただ生きているだけでねずみ算式に増えるしがらみに縛られ、淡い諦観が身を包んでいるのだけれど、けれど消えない情熱を抱えた主人公・アレッシオに萌える作品でした。
彼や、メインの登場人物たちが、何かのカタチを目指すのではなく、“自分自身”となることを選ぶまでがクライマックスで、“自分自身”で居続けるように手を尽くすのがピリオド。
性と暴力に満ち溢れた作品ではありますが、それは娯楽性を高めるというより、人間性への問いかけとして機能していた描写であったように感じました。
焦げ付いた夢、復讐、情欲、消えない悔恨、どれも真摯でひたむきな想いから来るもので、その根源にあるのは、自分の外ではなく、中から来るものであって、ということを、否定はしなかった。どんな人間も、醜さを、弱さを、その身に抱えているということを、否定しなかった。
その辺りの誠実さが、好きな作品ですね。
・クラスメイト
なんかこの作品は読んでいる最中も、読んだあとも、精神的な意味で大怪我を負ってしまったのであんまり語りたくないと言いますか、まだ整理できていないっつーか、色々とまごまごとしてしまい、もごもごと口を動かすことしか出来ない作品なのですよね。ぐぬぬ。
無理やりあらすじを書くなら、こんな感じ。
静岡から東京へ越して来た匠。
彼の転入した学校は女子と男子の間に明確な“国境”があった。
“ご主人様”のことを想いながら男子狩りの女王様・白鷺桃香に興味を引かれる匠は―――
白鷺桃香の行う男子狩り……という名の“いじめ”を中心として描かれるは幼い恋心が、見栄や矜持、不躾で乱暴な外的圧力、そして身体の変化によって歪まされ、行き場を失ってしまい、ねじ曲がった発露を見せる、といった感じ。
これだけでも重たい。息苦しい。
こちらは、ある部分では年不相応に大人びていて、けれどもある部分では年相応に幼い、アンバランスな女の子・白鷺桃香や彼女周辺の登場人物が某こどものじかんを思い起こさせ、作中の展開が、たとえこどものじかんで起こってもまったく違和感がない辺りに、何か無性に遣る瀬無さを感じる、というのが強い。
けれども、こちらはあくまで自衛のための行動という色合いが強いように感じたんですよね。ただただ欲望を満たすために見せて、それを隠れ蓑にして性差による力関係をうまく調整していたり、あるいは外的圧力への、何かの“型”へ自分たちを押し込めようとするもの全てへの、反抗にも、思える。
桃香は自分の個人的な心情によって、その“目的”を“手段”に置き換えてしまった節もありますが、まー、こちらは平和なお話でした。もう片方に比べれば。
ただ、もうひとつは、「匠とご主人様」のラインは、キツかった。桃香のラインとは真逆の“いじめ”で、つまり、力関係の調整とか、育みつつある独立心の歪んだ発露とかは、お題目に過ぎず、安易な形で“自分より弱い誰か”を踏みにじる様子が描かれるんですよね。
それによって、自分の存在を、社会の中での立ち位置をより上位に置きたい、優位を保ち続けたい、確固とした足場が欲しい、わたしはわたしであり続けたい、という欲求が見え隠れするようにも、思うのだけれど。読み進めるたびにみじめさがついて回るのですよ。
自分にとってみじめに感じるのは、“痛い”のは、“居た堪れない”のは、いじめを行っている側の姿の方。
別に僕はいじめの経験はないのだけれど、つまり、一方的な暴力で誰かを屈服させ、自らの欲求を満たすという行為を、理性の部分でこそ否定しきれても、そうではない部分で否定できない部分があるということを突き付けられる、というのが、僕に衝撃を与えるわけですよ。
それは、別に粗暴で考えなしの凌辱者たちだけでなく、渚が匠に行った行為や、匠が渚に感じていた気持ちからも分かるように、誰もが持ち得るもの、人間の業と言い換えてもよくて、けれども、それを言い訳にも出来ない、と僕は感じてしまう。
とはいえしかし。
“それ”そのものを否定するのではなく、和らげたり、いなしたりすることは可能で、その前提として対等な関係性が必要、という形に落ち着いてくれて、僕としては大怪我を負いつつも、大満足の出来ではありました。
僕が常々「対等な関係性が云々~」とか「やっぱり(気安い形での)攻守反転のある関係性が……もっというとエッチシーンがいいよね!」とか語っている理由は、まー、この辺にあるわけですよ。
……というわけで、よーし、個別感想書かないでJ・さいろーについて語れたぞ!(おい
そんなわけで、僕はしろくまベルスターズ♪には期待を懸けているのですよね。あのクラスメイトや白銀のカリティアードを描いたJ・さいろーなればこそ!
……しかし、まー、その、なんだかほのぼのとしたお話っぽいんですよね。人間心理の深奥に鋭く切り込むような作品を期待したいんですけど、どうなるのか。ユーザーに不快感を与えないのが売りのPULLTOPさんではあるので、どうにもこうにも期待通りにはいかなそうではありますが、何であれ面白ければ正義。楽しみに待っていますよっ。
そんなわけで今日の記事はいつも
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正直、このひとがどんなひとかあんまり知らなかったんですね。ゆのはなと夜刀姫斬鬼行は遊んだことがあるけれど、いまいち担当パートが分からず、顔が見えなかった。分かるのは、それなりに名の通った美少女ゲームライターさんであることぐらい。
でまー、ひととなりを知るため、というか、筆致をある程度知っておこうと、ものぐさな僕は氏がライターを務めるゲームではなく、ノベルの方に手を出したのですよ。とりあえず、入手の容易な4冊のみですけども。
・月光のカルネヴァーレ ~白銀のカリアティード~ 全三巻
幻想の息づく街、ベルモント。
ある日、少年ギャング団・バレットラと彼らの目付役であるアレッシオのもとへ二体のオートマタがやって来て……。
というのが大まかなあらすじ。
ただ生きているだけでねずみ算式に増えるしがらみに縛られ、淡い諦観が身を包んでいるのだけれど、けれど消えない情熱を抱えた主人公・アレッシオに萌える作品でした。
彼や、メインの登場人物たちが、何かのカタチを目指すのではなく、“自分自身”となることを選ぶまでがクライマックスで、“自分自身”で居続けるように手を尽くすのがピリオド。
性と暴力に満ち溢れた作品ではありますが、それは娯楽性を高めるというより、人間性への問いかけとして機能していた描写であったように感じました。
焦げ付いた夢、復讐、情欲、消えない悔恨、どれも真摯でひたむきな想いから来るもので、その根源にあるのは、自分の外ではなく、中から来るものであって、ということを、否定はしなかった。どんな人間も、醜さを、弱さを、その身に抱えているということを、否定しなかった。
その辺りの誠実さが、好きな作品ですね。
・クラスメイト
なんかこの作品は読んでいる最中も、読んだあとも、精神的な意味で大怪我を負ってしまったのであんまり語りたくないと言いますか、まだ整理できていないっつーか、色々とまごまごとしてしまい、もごもごと口を動かすことしか出来ない作品なのですよね。ぐぬぬ。
無理やりあらすじを書くなら、こんな感じ。
静岡から東京へ越して来た匠。
彼の転入した学校は女子と男子の間に明確な“国境”があった。
“ご主人様”のことを想いながら男子狩りの女王様・白鷺桃香に興味を引かれる匠は―――
白鷺桃香の行う男子狩り……という名の“いじめ”を中心として描かれるは幼い恋心が、見栄や矜持、不躾で乱暴な外的圧力、そして身体の変化によって歪まされ、行き場を失ってしまい、ねじ曲がった発露を見せる、といった感じ。
これだけでも重たい。息苦しい。
こちらは、ある部分では年不相応に大人びていて、けれどもある部分では年相応に幼い、アンバランスな女の子・白鷺桃香や彼女周辺の登場人物が某こどものじかんを思い起こさせ、作中の展開が、たとえこどものじかんで起こってもまったく違和感がない辺りに、何か無性に遣る瀬無さを感じる、というのが強い。
けれども、こちらはあくまで自衛のための行動という色合いが強いように感じたんですよね。ただただ欲望を満たすために見せて、それを隠れ蓑にして性差による力関係をうまく調整していたり、あるいは外的圧力への、何かの“型”へ自分たちを押し込めようとするもの全てへの、反抗にも、思える。
桃香は自分の個人的な心情によって、その“目的”を“手段”に置き換えてしまった節もありますが、まー、こちらは平和なお話でした。もう片方に比べれば。
ただ、もうひとつは、「匠とご主人様」のラインは、キツかった。桃香のラインとは真逆の“いじめ”で、つまり、力関係の調整とか、育みつつある独立心の歪んだ発露とかは、お題目に過ぎず、安易な形で“自分より弱い誰か”を踏みにじる様子が描かれるんですよね。
それによって、自分の存在を、社会の中での立ち位置をより上位に置きたい、優位を保ち続けたい、確固とした足場が欲しい、わたしはわたしであり続けたい、という欲求が見え隠れするようにも、思うのだけれど。読み進めるたびにみじめさがついて回るのですよ。
自分にとってみじめに感じるのは、“痛い”のは、“居た堪れない”のは、いじめを行っている側の姿の方。
別に僕はいじめの経験はないのだけれど、つまり、一方的な暴力で誰かを屈服させ、自らの欲求を満たすという行為を、理性の部分でこそ否定しきれても、そうではない部分で否定できない部分があるということを突き付けられる、というのが、僕に衝撃を与えるわけですよ。
それは、別に粗暴で考えなしの凌辱者たちだけでなく、渚が匠に行った行為や、匠が渚に感じていた気持ちからも分かるように、誰もが持ち得るもの、人間の業と言い換えてもよくて、けれども、それを言い訳にも出来ない、と僕は感じてしまう。
とはいえしかし。
“それ”そのものを否定するのではなく、和らげたり、いなしたりすることは可能で、その前提として対等な関係性が必要、という形に落ち着いてくれて、僕としては大怪我を負いつつも、大満足の出来ではありました。
僕が常々「対等な関係性が云々~」とか「やっぱり(気安い形での)攻守反転のある関係性が……もっというとエッチシーンがいいよね!」とか語っている理由は、まー、この辺にあるわけですよ。
……というわけで、よーし、個別感想書かないでJ・さいろーについて語れたぞ!(おい
そんなわけで、僕はしろくまベルスターズ♪には期待を懸けているのですよね。あのクラスメイトや白銀のカリティアードを描いたJ・さいろーなればこそ!
……しかし、まー、その、なんだかほのぼのとしたお話っぽいんですよね。人間心理の深奥に鋭く切り込むような作品を期待したいんですけど、どうなるのか。ユーザーに不快感を与えないのが売りのPULLTOPさんではあるので、どうにもこうにも期待通りにはいかなそうではありますが、何であれ面白ければ正義。楽しみに待っていますよっ。