『サマーウォーズ』個人的メモ その1


 佳主馬で検索すると、トップに2ちゃんのスレッドが出てくるんですね。真偽は不明ですけど季刊Sの監督インタビューの転載が大変興味深かったです。

 作品のそう言えば、旧暦で言えば七夕は新暦7月の下旬ごろ~9月初旬ごろである。朝顔の旧い読みは牽牛子。由来は知らないが、牽牛とは言うまでもなく彦星のことだ。
 物語の開始は、陣内栄の誕生日よりも幾分前で、おそらく高校生の夏休みが始まっていたであろう時期。かささぎの橋はないけれど、あるいは七夕と重なっていたのかもしれない。

・サマーウォーズ公式


 以下、思い出し得る限りの内容。
 明日以降にこれを見ながら感想書きます。でないと内容忘れちゃいそう。


◇お話◇

 近未来。OZという万能ウェべスペースに人々が頼り切った生活を送っている地球。日本。

 数学オリンピックで惜しくも日本代表に落選した、理系高校生であるところの健二くん。
 落選したショックに包まれながらも夏休みの予定が潰れてしまって手持ち無沙汰。同じ物理部に所属する友人・佐久間とともにバイトに精を出す日々。

 そこへ現れた学園のマドンナ・陣内夏希。彼女はふたりへバイトを持ち掛ける。内容は長野の帰省に同伴するだけだという。
 憧れの先輩から誘われたとあって健二、佐久間、ふたりともが引き受けたがるが定員は一名のみ。結局じゃんけんで勝った健二が行くことに。

 7月29日。健二と夏希のふたりは東京駅で待ち合わせして、長野県は上田へ。
 何の変哲もない田舎町。ふたりが向かうのは夏希の曾祖母の家で、道すがら彼女の90歳の誕生日を祝うために親族が集っているのだと説明。

 目的地に着くとそこは城郭跡に建てた屋敷で、夏希の家格を知らなかった健二は驚嘆。そんな彼を知ってか知らずか夏希は曾祖母・栄の居室へ直行。健二を夏希の恋人として紹介。「聞いてない」と面食らう健二。真に受けた栄は健二へ「夏希の婿となる覚悟はあるのか」と確認。持ち前の人の良さと夏希への以前からの憧れがあってか、「覚悟は出来ている」と返す健二。栄への面通し後、夏希に路地へ連れ出されて「今回のバイト」における真の内容を告げられる。それは彼女の恋人を演じることで、曾祖母を安心させたいとのことだった。健二は「無理だ」と言ったが、憧れの先輩に手を握られては断れない。

 夜。陣内家親族の大半が集まり、会食。そこでもやはり夏希の恋人として紹介される健二。夏希の脚色によって「東大生で旧家の出で留学経験アリ」とされる誇張され、誤解されてしまう。ほのぼのとした団欒の中、庭先に闖入者現る。誰何すると、栄の夫が妾に産ませた子であり、養子として彼女に引き取られた侘助という男だった。彼は10年前、承諾を得ずに栄の土地を売って失踪しており多くの親族は嫌っていた。しかし、夏希だけは懐いており、積極的なスキンシップを取る。場の決定権を持つ曾祖母も反対もなく、彼女の行動もあって、成り行き任せに侘助を受け容れる一同。続く宴。侘助を押し倒す夏希。

 用足しのために席を立った健二。広い屋敷の中、道が分からず、納戸のようなところへ迷い込んでしまう。

 ここではじめて本作のヒロインが登場し、健二と恋に落ちr(ry

 そこでは浅黒い肌をした少年がひとり、ノートパソコンと向き合っていた。陰気で剣呑な空気を発している。健二が話し掛けると、やはり刺々しく返される。道を訊いてトイレへ行き、部屋へ戻ろうとする健二。途中、台所にて裸の子供が駆けてくる。風呂上りのようだった。子供へ声が掛かる。振り向く健二。視線を向けた先には、脱衣場からタオルを一枚巻いただけの女の子が顔を覗かせていた。夏希である。赤面する両人。入浴を勧められ、夏希が去った後風呂場へ入る健二。青少年の情動が爆発して思い切り息を吸い込んでしまう健二。いざ湯殿へ行かんとしたところで湯船から噴出する飛沫、飛び上がる子供たち。別に浴室の中には夏希のエキスが濃縮されていたわけではなかったのだ。萎む青少年の情動。

 侘助の連絡先を賭けて花札をする夏希と当の侘助。はじめての花札で、ふたりの勝負を傍観しつつルールを読む耽る健二。あっけなく負ける夏希。「交代だ」と健二にバトンを渡す侘助。「ルールがわからない」と辞退する健二。
※「なつきはおまえにまかせた」→「ぼく、どうすればいいのかわからないのです」→「おじさんまってよー!」と見ると、このシーンは意味深。

 深夜。客室を宛がわれ、床に就いた健二。いつも布団と枕ではないせいか、はたまた別の原因なのか、眠れない健二。そんな折、携帯に着信した謎のメール。大量の数字が羅列してあるだけだったが、健二にはなんらかの暗号とわかり、つい一晩掛けて解きにかかってしまった。解答を送信先へ返信すると、いたずらメールが返ってきて、虚脱。。もはや夜更けではなく早朝に、改めて布団へ入り込んだ健二。今度は眠れた。

 翌朝、子供ふたりに叩き起こされる健二。乱暴に起こされるのははじめてなのか、寝不足もあってなのか、低血圧なのか。少し不機嫌。子供たちは彼にテレビを見せたがっており、促されて居間へいき、ニュースを見る。サイバーテロの犯人として健二が報道されていた。慌てて画面を消す健二。点ける子供。コードを抜く健二。どうにもならずにふて腐れる子供。子供をひとまず措いて混乱に陥る健二。情報をまとめると、OZが健二のアカウントからの攻撃によって機能不全を起こしており、多くのユーザーがログイン不能状態になっている。昨晩OZユーザーへ一斉に送られたスパムメール。その中にOZの最重要セキュリティコードが書かれていたことと関係しているかもしれないとのことだった。スパムメールが送られて来て、何の気も無しに解いてしまい、返信してしまった健二には心当たりがあって、「自分ではない」と強く言えなくなってしまう。

 佐久間から電話が掛かってくる。彼と佳主馬の力を借り、ゲストアカウントで自分のアカウント・アバターの下へ行く健二。交渉しようとするが、問答無用で襲われる。そこへ助けに入った佳主馬のアバター・キングカズマ。佳主馬はOZの格闘大会チャンプだったのだ。乗っ取り犯を軽く蹴散らすキングカズマだったが、相手の様子がおかしい。突然周囲のアバターを「食い散らかす」と、姿を変えて再度襲い掛かる乗っ取り犯。先ほどまでとは完全に別人の攻撃に、なす術もなく倒れるキングカズマ。彼も「食われ」
そうになるが、健二の機転によって最悪の危機だけ脱した。その後、事情通らしい佐々木の情報によると、ピッツバーグ大学の開発していたAI・ラブマシーンが逃げ出したニュースがきな臭いことがわかる。目下、現況との関連はないが、不調続きの探査用人口衛星がそろそろ地球へ戻ってくるという報道。

 OZの機能不全が引き起こした障害は多岐に及び、日本のインフラストラクチャーがほぼ壊滅状態に陥る。これを国家存亡の危機、城が敵に直接攻められている状況と看た栄は自分の伝手を最大限に活用してこの事態からの脱却を目指す。「がんばれ、あんたなら出来る」と声を投げ掛け続け、なんとか危機を逃れた。OZに頼っていたものをひとまず人力に切り替えたのだった。

 夜。混乱は落ち着いたが、元凶が排除されていないという懸念。健二は「今日のように色んなひとたちがみんなで手と手を取り合えば必ず奴は倒せる」と発言。同調する一同。それを遮るように「無理だな」と侘助。あれは彼の作ったハッキングAIで、これまでのAIと大きく隔すものとして「知識欲/好奇心」を持たせたと説明。現にかのAIは既に数百万人以上のアカウント乗っ取りに成功しており、その中には各国政府の要人も含まれている。米軍の実証実験だったが、これなら十分な成果と言えるだろうと嘯く。「製作者が、全ての目の前にいるとは」「一族の恥だ」「責任を取れ」と詰め寄る陣内家の面々。「自分は作っただけで、運用しているのは米軍だ」と責めを避わす侘助。ひとり静かに、そして周囲を黙らせる声で、それは本当なのかと訊ねる栄。「あなたなら信じてくれるだろう、俺は悪くないと。そうだ、自分がやった。大きな成果を出せばこの家に帰ってこれると思っていた。故郷に錦を飾りたかった」と涙ぐむ侘助。絆されそうになる栄。それを見てダメ押しとばかりに「これで祖父ちゃんが当主だったときよりも、いや、この家にとって過去類を見ない大金が入ってくるんだ!」と叫ぶ侘助。それを聞いて般若の面を見せる栄。先祖伝来の長刀を手に取り「侘助。お前はここで死ね」と詰め寄る栄。しかし最後の一突きが出せない。問答無用とは出来なかったのだ。栄が躊躇いを見せているうちに侘助は去っていった。「こんな家、帰ってくるんじゃなかった」と言い残して。

 騒動の後、後片付けをする一同。倒された食卓。散らばった食器・陶器類の破片、料理の残骸。黙々と掃除を続ける健二。ふと廊下の奥から手招きが見えた。栄の部屋だ。行ってみると、どうも先ほどの疲労による貧血かなにかで立ち眩みを起こしていたようだった。優しく介助し、片づけへ戻ろうとする健二を花札に誘う栄。ルールも昨日読んだばかりで相手にならないだろうからと断ろうとする健二に、「ではわたしが勝てば孫の夏希を君に任せたいと思う」と賭けにならない賭けの打診をする栄。乗ってしまう健二。

※健二が勝ったら「(君も嫌だろうし、)バカで見苦しい孫とは付き合わなくていいのだよ。でもわたしが勝てば(君も嫌だろうが)孫をもらってくれ」という賭けだとしても、いや、僕はそこで健二に乗って欲しくなかったね。フェアじゃない。誠実じゃない。「僕は夏希さんが好きなので、そんな賭けは出来ません(「負けた方が得なので、賭けにならない」+「そもそも夏希本人の意思が尊重されていない」)」とか言って欲しかった。本作の中でも割と糞食らえな部分。

 あっさり負ける。夏希を任せると、健二に託そうとする栄。明確な否定は避けるものの「自信がない」と返す健二。「あんたなた出来る」と微笑む栄。泣きそうな、何か言いたげな表情になるが、結局言葉は出さない健二。

 夜。就寝。風鈴の音。
 朝。犬の鳴き声。吠え立てて、うるさい。人の泣き叫ぶ声。

 朝早く、狭心症の発作で鼓動の止まってしまった栄。続けられる心臓マッサージ。しかし、主治医であり栄の三男でもある万作が臨終を告げた。今回の原因ではないが、「防げなかった要因」のひとつ。それにOZの機能不全があった。栄の身体に何か問題が起きればOZの機能を用いて万作に伝わるよう設定してあったのだが、今回は

※心臓マッサージですが、骨の弱い老人の場合、肋骨他胸部の骨が折れたり砕けたりするぐらいの力で行うはず。祖母の骨を砕きながら生命を繋ぎとめようとする心境というのは、想像するだに切ない。僕は彼女が亡くなったことよりも、残されたひと、「特に救えるはずの技術を持っていたのに失敗したひと」の心情を想像した方が、つらかった。でもOZの故障はわかっていたのだから、少なくとも警報が働かないであろうことは知り得たはず。予め交代制なり何なりで栄の側についていれば……OZっちうかひとつのものに頼り切っていて、なんら“保険”を用意していなかった、というのは、そもそもダメなんじゃないかなあ。

 悲しみに暮れる家族たち。昨晩の侘助の振る舞いと栄のことで、心ここにあらずの様子。表情がなく、感情の欠落した人形のようだったが、しかしそれでも涙だけは流れていた。傍による健二。「涙を止めて」と囁く夏希。「握って」と小指を差し出す。腫れ物でも触るかのようにおっかなびっくり指を握る健二。涙は留まることなく一層強く流れ、表情を崩して嗚咽する夏希。それを受けて肝を決めた健二は指だけではなく、手のひらを包み込むように握りなおした。


後編へ続く!

 力尽きたので明日以降に続きを書きます><

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