true tears 第12話「何も見てない私の瞳から…」の感想文です

 力を入れた割に自分でも何が言いたいのかあやふやになっちゃった♪
 グチャグチャしているのが僕の感想文なんで、それを持ち味にしていこうそうしよう。

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キャラクター

仲上眞一郎(C.V.石井真
 とりあえず、彼の気持ちは掴めた気がする。彼は比呂美が好きなんじゃないかな。彼の性愛(情愛)の対象は、比呂美なんでしょう。

 思えば、10話『全部ちゃんとするから』で彼は答えを言っていた。それについて、僕は「そうすべきだった」という言葉の端を誤解というか、曲解していた。
「俺じゃなきゃダメだった」は、前に「純ではなく」が付いていた。純ではなく、自分が比呂美の隣にいなければならなかった。それが、自分の想いに誠実になることが、何より必要だった。自分は君が好きで、それは“友人としての好き”ではなく“男女の好き”であって、まずそれを伝えた上で相手にもそうなってもらうよう努力すべきだった。それをせずに「君のことが好き(その種類をボカしている)だから、君が一番よくなるように協力しよう」ということをするのは、卑怯で前へ進むための行為ではなかった。

 本当に彼女の幸せを願い、彼女の涙を拭ってあげたかったのであれば、誰に任せるでもなく眞一郎自身がすべきだった。この辺、今回の純を見てようやく分かったよ。

 今回のクライマックス。
 比呂美に真っ直ぐ向き合わずに、まず乃絵を優先していたのは、「全部ちゃんとする」ために必要なこと。比呂美の想いに応えるには、まず“契約の恋人関係”をきちんと清算しなければならなかった。男女の愛で乃絵を想うなら、今の眞一郎は比呂美に向き合ってひとつの答えを出せたはず。終わりに出来た。けれど、それはしなかったし、「石動さんにはもう私たちの間に入ってこないでって言っちゃったの」に対して普通にはにかんでいた。喜びを顔に出していた。その後に「今は彼女の気持ちに応えるのはダメだ。まず乃絵との関係を清算しなければ、それは状況に流されているだけで自分で決断した上での行動とは言えないだろう」と考え、その場をごまかし、乃絵を探しに行った。

 いやいやいや!!!!!!

 けれども、その逆とも取れるわけですよ。結局、比呂美は眞一郎なしでも自分の問題を解決出来てしまった。だからといって好きでなくなるわけではないけれど、10話クライマックス・自転車に乗っていた彼の独白は過去形だったはずで、僕はそれに縋りますよっ。
 く、苦しい……><

 ええい、仕方ないか。乃絵は無理なのか、そうなのか。それならそれで、楽しみ方を変えざるを得ないでしょうか。

 僕は本作において、「誰と誰が結ばれるか」は重要な要素だと見ています。「眞一郎が誰を選んでも(「誰とも結ばれない」を選んでも)私は頷くだろう」というスタンスの方もいるでしょうが、僕は「眞一郎が誰を選んでも同じだ」とは思わないし、その選択には単なる相性以上の意味が含まれていることでしょう。僕はそれを知りたい。というか、僕なりの意味を見出してそれで納得したい。

 そもそもtrue tearsという物語が描かれるに際し、導入から恋愛物語であると僕は見ていた。初めは眞一郎から比呂美への愛情で、この種類について彼自身悩み、そしてその表現の仕方についても悩み、結局は失敗した。この失敗を糧に、それでも一緒に前へ進んで行こう、私も間違っていたのだからおあいこだね、というのが比呂美。眞一郎の見栄の部分、外面の部分ではなく、内面にさくっと踏み込んで来てそこを評価してくれたのが乃絵。(自分の限界を知るのが怖くて)怯え竦んでいた眞一郎を、引き出してくれたのが、乃絵。
 比呂美に関しては仕切り直しが可能で、現在それを実行している。以前の間合いではなく、新しい距離感を作り上げつつある。乃絵に対しては、今度は眞一郎が彼女から“彼女”を引き出してあげる番、ということなのでしょう。これは二人で作った雷轟丸とじべたの絵本を読んでもらうことで完結してしまいそうではありますが、どうなのかな。それで、いいのかな。比呂美とは結ばれずともたぶん友達になれる。いつかは大丈夫。けれど、絵本が完結して、そして眞一郎が比呂美を選んだとすると。すると眞一郎と乃絵はこれまでとは別の関係を築けるのかな。同志として、親友としての関係になれるのであれば、僕からはもう言うことはない。

 そこで、終わってしまうのでないかな。僕はそれが心配で、それが寂しい。いえ、もしも二人の別離があるとしてそれは湿っぽいものではなく、スッキリしたものであることでしょう。痛みもあるかもしれないけれどそれは決して欠落ではない、そんな終わり方となるんでしょう。けれども……('A`)

石動乃絵(C.V.高垣彩陽
 僕はね、やはり彼女の奇矯さというものは半ば意識的なものであったと思うんですよ。普通の人とはまるきり違った感性を持った、脳みそお天気の人ではないと思う。彼女とその他の人たちの違いというのは、それこそ雷轟丸とじべたの違い程度の、ほんの些細なものでしかないんじゃないかな。

 彼女は、祖母が好きだった。だから、彼女の(涙を天に持っていく)お呪いを信じたかった。そして、それを信じるということはその他諸々の“不思議なこと”を信じるというか、それらの肩を持つことに繋がり、それが彼女の特異性に繋がっていた。けれど、彼女はきちんと普通の感性を持っていてそれが間違ったことだと、誤りだと知っていた。だから本当は呪いなんか存在しないことは分かっていたし、雷轟丸を悼むならきちんとお墓を作ってあげるべきだったし、祖母を信じるなら、祖母の真心の想像力に対して自分も真心の想像力を働かせるのなら、彼女のお呪いを鵜呑みにしてはいけなかった。それら全てを、彼女は分かっていた。
 けれど、逃避がしたかった。誰かに決定の責を置いて、それに乗り掛かることで自分を導いて欲しかった。それは最初、祖母の死からの逃避だった。けれど、現実逃避を続ける彼女の下から周囲の友人は離れていき、更に逃避は強まった。それが逃避だとどこかで気付いていたのが、彼女の可哀想なところで、どこかでは分かっていても芯から隅々まで納得していたわけではなくて。

 それは単にちょっと臆病な子という程度のもので、彼女はきちんと優しくて、本当のところきちんと強い。自覚はないけれど、彼女は感情的ではなく凄く理性的な子。自分を律すること、自分を騙すこと、それに心血を注いできた結果なのかな、とも思いますが……(´・ω・`)

 僕は結構、こういう子が好きなんですね。どこまでも理性的であろうとする姿とか、二面性とか、自己欺瞞とか、そういうモノを持った子を見掛けると無条件に応援したくなる。だから眞一郎とうまいこと行って欲しいなぁ、と強く願いますね……。それが新たな呪縛を得ることではなく、解放に繋がると信じて。

湯浅比呂美(C.V.名塚佳織
 ああ、女の子してるなー。彼女は色んな武器を使っている。こりゃ最強だ。それを打算とか恋の駆け引きと呼ぶのは悲しいので、僕は呼ばない。彼女は“眞一郎の幸せ”よりも自らの幸せを希求している。それは「彼だけが幸せになればいいのだ」or「自分だけが幸せになればいいのだ」ではなく「二人で幸せになりたい」ということなんですが、それを願うのは彼女のエゴ。眞一郎はもしかしたら比呂美以外を選んでもそつなく幸せになれるかもしれないけれど、それでは彼女が嫌だから、そうはならないで欲しいと思っている。

 とても素直で、美しいじゃないですか。乃絵にも真摯に向き合って、その上で悪罵とかを叩きつけるでもなく、ただただお願いしただけ。それは最強過ぎて確かに卑怯なんですが、それこそ、その強かさを持っている子こそ、女性らしくていいと思うな。

 置いて行かないで眞一郎くん、か。その言葉を呟いたとき、下駄の片方を脱いだときに、眞一郎似のちびっこが彼女を気にしていて、けれど母親に手を引かれて去っていった。

 手を引かれるのを待っているだけじゃダメだよね、と答えを出した彼女はどこへ行ったのか。次回、無駄に片足立ちで眞一郎を追い掛けるのでしょうか。ちょっと楽しみ。彼女が自分の意思で眞一郎と手を繋ぎ、ときに彼の手を引いてあげるくらいの心持ちでいれば(まああのキスとかがそれに当たるっちゃそうなんですが)、僕は何も文句をつけられなくなる。頑張れ女の子!失望させないでね!!

安藤愛子(C.V.井口裕香
 三代吉とよろしくやっていればいいじゃない。

野伏三代吉(C.V.吉野裕行
 お前の勝利だ。

 自分の気持ちに素直で、相手に自分を好きになってもらおうという努力を怠らず、そして友情にも篤い。男らしいし、女々しい。完璧ですね!!

石動純
 そうか。なるほどなるほど。祖母に乃絵の涙を持って行って欲しくなかった理由が、ようやく見えたような気がします。それは乃絵を思いやって、というよりは乃絵が祖母に持って行かれることが嫌だったわけなんですね!!(ぉ

 純みたいなキャラクター、僕は嫌いじゃないんだな!!!色んな意味で少女漫画的なキャラ立てだったなー。

 出版社へ勤めるということで、なんとなく眞一郎の絵本と繋がりそうだなって思った。最終回で『それから10年後』みたいなエピローグをやってくれたりするのかしら?

感想
 眞一郎が産声を上げて、爆誕していましたね。乃絵は“世界”を見失って、“自分”も見失って、だから初めて眞一郎に会ったあの日のように高い所に登った。その場所から見れば、今とは違った正しいもの、あるいは美しいものが見えると信じて。これは、またもや逃避。眞一郎と会わないと決断したはずが、結局自分に立てた誓いすら守れず。(彼女にとっては恋のライバルではなく、数少ない友人としても認められている)比呂美に拒絶され、兄との隔絶を知る。

 眞一郎が彼女を見付け出して、引き出して、導いてあげられればいいなぁ。や、ずっとは無理ですよ。もちろん、それはそう。彼の描いた絵本が、乃絵を救ってくれると信じて次回を待ちます。