true tears 雑感「最終話に向けてのよもやま話」

【■週遅れメモ true tears #13(終)「君の涙を」(サイドバー)】(アニ☆しね)
ピンポイントでまぬけづらさんに名指しして書いてるのに!w
あの手の個人への名指し文章はサイドバー限定で個別記事に移植する時は大抵なくなりますよ?w

まあ、文字反転してるとこはマジで最終ネタバレなので最終話見終えるまではまだ読まないほうがいいと思いますがw

 とのことで読みに行きました。僕がtt最終話を視聴するのは水曜深夜以降なので、反転部分は死んでも読みませんからね?(死んだら読めませんが)

 まずチャベスさんご本人も認められていることではありますが、

>>「乃絵が真実の涙を取り戻す物語」という文学的なテーマ

 これは間違いだと思いますね。文学という言葉に何を見い出すのかは人それぞれでしょうが、仮に象徴(記号)を用いた比喩暗喩を以て物語を紡ぎ、テーマを伝える作品だとする。これって眞一郎の描く絵本、そしてアイデア・イメージの断片が当て嵌まるものであって、true tearsには当て嵌まらないないんじゃないかなと。

 true tearsは地味で堅実な人物描写を積み重ねた、普通の、(話としては)ごくごくありふれた物語だったと思うな。絵本の幻想描写が丁寧過ぎるから別の物に映るだけで。

 で、登場人物の成長を描くに際してメロドラマというか、ロマンスの色が濃かった。というのも、本作で描かれた少年少女を成長させる“もっとも大きな試練”が恋愛だったから。恋愛を通して、人と深く触れ合おうとすることを通して、少年少女は(恋愛の対象ではなく)自分自身を知って行く。そして、その上で、自分という土台を確認した(≠作り上げる。それはこれから)上で世界と向き合っていく。眞一郎なんかは自身について強く自覚することで、今まで無頓着だったものにも、きちんと意味があったことを知る。意図せず誰かに必要以上の好意を振りまき、意図せずして誰かを傷つけていたことを知る。
 行き着く先には「成長」が待っていて、視聴者の目には登場人物たちにとって未来への一歩を踏み出す様が映る。それは不器用な男の子と器用になりきれない女の子の恋物語を通して描かれたもの。

 たとえ眞一郎と乃絵が結ばれなかったとしても、眞一郎と比呂美が結ばれなかったとしても、あるいは眞一郎がその二人のうちどちらをも選ばなかったとしても、想いの結実がなかったとしても、それは恋愛だった。本作は愛を語っていた、と僕は思います。


若者特有の痛々しい恋愛劇こそこの作品が一番描きたかったものなんじゃないか。


若者が痛々しく「もがいてる」様子を描いたのが「true tears」という作品。


 12話での眞一郎の「おぎゃー」という産声。これは本作においてかなり重要なキーだったんじゃないかなと思いますね。
 あれは“これまでの自分”という殻を破って、雷轟丸が“新しい自分が”誕生した瞬間。

 それまでに必要だった産みの苦しみに耐える部分は確かにもがいている様子。

 ただ、それ(=若者のもがき)を通して描かれたのは愛だと僕は思うな。これは広い意味での人間愛(親愛・慈愛・博愛)もそうだけど、もっと卑近な意味での性愛(情愛)もあって、これらの違いと意味、そしてその想いの結実こそ描きたかったんでないかなーっと。
 殻を破った眞一郎くんは愛の違いを知っているから、逆に誤魔化しが利かない。自分が誰かの心の機微を読めないと自覚したからこそ、更に鈍重な立ち居振舞いしか出来なくなった。逃げないからこそ、(これまで以上に)器用になれなくなった。

 最終話での、愛の結実、想いの結実。僕は楽しみにしています。どうなるのかある程度想像は尽くけれど、願わくば登場人物のみんなが幸せになれますように。


 つかね、僕がここで総括書いちゃってどうすんですか!!最終回用のネタがなくなっちゃったよ……(´・ω・`)
 

■おまけ

 「眞一郎が○○を選んだ(あるいは「誰も選ばない」ということを選んだ?)ことで阿鼻叫喚」な人たちは、自分のお気に入りヒロインを愛でることに感けて眞一郎を見てこなかったんじゃないかと思いますね。ヒロインにだけ目を向けていて何が恋愛だと。それは想いに双方向性があるという幻想を信じることによって初めて成り立つことで、“私”を認めて“相手”も認めることで初めて成り立つこと。
 眞一郎を理解することを放棄して、「○○の気持ちを分かってやれよ!!」というのはどうなんでしょうか。この辺ちょっと微妙な問題で、お気に入りヒロインに対して感情移入の度合が強い人は、「私の気持ちを分かってよ、受け止めてよ!!」状態なんでしょうか。もしもそうだと仮定して、だからそれは身勝手な押し付けであって恋愛じゃないんだっつのっ!……ごめんなさい、僕今藁人形を叩きました。そんな人、いないかもしれませんよねー。



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