鉄のラインバレル 第7話「サイアクな放課後」雑感

 浩一くんの天然っぷりは可愛いね。ただまー、もうこの時点で可愛いだけじゃ、済まされなくなっている部分もあって、大変だなぁ。

 冒頭、朝の一幕なんかを見ると、城崎は気のない素振りどころか明らかに浩一を意識していて、そのことに浩一はもちろん本人自身も気付いていなさそうなところは、まー、“微笑ましい”で済むことでしょう。

 城崎はラインバレルのファクターとしてである以上に、彼女の考える「かくあるべし」という男性像(人物像、よりももっと性的)を浩一に求めていて、だからこそ出てくる「最低です」は、ま、可愛らしいもの。これに気付けない浩一の関係性込みで、ね。

 ですが、喧嘩にラインバレルを持ち込むあたり、やっぱり浩一くんの無邪気さは怖い。

 これは“正義”が必要とされる状況以外でも、我を押し通したい状況では、無自覚に力を振ってしまう、ということなのか。
 それとも「女の子へ軟派に声を掛ける」ことはもうそれだけで“悪”で、すなわち“正義の鉄鎚”がくだされるべき状況、ということなのか。

 今回、城崎は特に声を出して助けを求めませんでした。言葉以外の“SOS”に浩一が気付いて……というわけでもなくて、彼は一体誰の、何の味方をしていたのでしょうか。

 正義、という概念の味方は通常出来得ません。「ぼくのかんがえるせいぎ!」の味方をする場合は、自分勝手な価値観で悪を断じ、裁くわけで、「俺が正義だ!」がまだ続いているのだとすれば、それって単に我を通しているだけ。
 圧倒的な力で、無理矢理に、「自分の気に入らないもの」を壊す、というだけ。

 5話の浩一くんは好きだったのですが、彼は自分自身の無邪気さとどう向き合っていくのかな。一朝一夕に変えられるものでもないのは分かりますが、気になるところです。

 おそらく、加藤が浩一くんを欲する理由のひとつにこれがあるのでしょうかね。どういった意図で世界征服を目指しているのかは分かりませんが、「自分が正しい場合には力を振って物理的に相手を否定してもよい」という考えの持ち主にとって、加藤機関実に向いていそうです。

 ……ところで、矢島はファクターとなった浩一に勝てなかったわけですよ。一応幼い頃から浩一を守っていた彼は、いじめっ子三人組に対してひとりで勝てちゃう程度の実力はあるわけで、いわゆる“通常の3倍”だと思うんですよね。

 そんな矢島にも、身体能力だけで勝ててしまうのがファクター。それに勝る道明寺は一体何者なのでしょうか。

 やっぱりマキナのファクターなのか、それともこれまで指摘されてきた浩一の技術不足を明確にするための、“武術の達人”とかなのか。

 早瀬軍団とか、うまい具合に浩一の興味と自尊心を刺激するものまで作っちゃったわけで、なかなかの策士のように思えますしね。
 彼の下心がどこへ向いているのか、要注意、でしょうか。

 最後に、英治と玲二。なんだかよく似た名前。サトルの視線も気になります。
 桐山重工というのは、森次とどういった関係にあるのでしょうかね。腹違いの兄弟とか、むしろ実の兄弟なんだけれど今は故あって母方の旧姓を名乗っているとか、そういうアレ?