携帯投稿:とらドラ!はアニメが原作より先に結末を見せてくれそうですねー

 21話におけるみのりんの発言でもかなり危険な発言は、ホテルのロビーで竜児とした会話でないのかな。

 能登と木原の喧嘩。
 その原因を木原の北村への想い……とか言っちゃえてしまうところ……かなあ。これは「恋心なんてくだらないもので(修学旅行だけでなく)これまでに築いて来た関係性を壊すなんて最悪だよね、困った話だよね」と、言っているように、僕には見えました。本心から思ってのことなのか、遠回し、竜児へ「お願いだからあなたは“水晶の星”を割らないでね」アピールなのかは、図りかねますが。……敢えて能登の気持ちに言及しなかったあたりで、僕は後者だとは思うのですけども、ぐぬぬ

 どちらにせよ――その表出があまりに幼いものとはいえ――友人の持つ真摯な気持ちを侮辱した、となるんでないのかな。人の根にある生の感情を、忌避、しているのかな。誰かを求めるという行為そのものを、否定しているのかな。でも大河は受け入れていて、わからない。

 ま、もっとも危険なのは「大河のことならなんでも分かってる」ではあるのですが。「わたしの気持ちなんて誰にもわかるわけないでしょ(そうさせないように努力しているのだから)」的なことを言っておいて、これ。で、「そういう上から目線がムカつく」と言われて、その指摘を認めなかった。

 永遠に家族ごっこがしたい、変わらない関係性に浸り続けたい、モラトリアムに留まり続けたい、誰も“わたし”の中に入って来て欲しくない、自分(の夢)を馬鹿にしたものを見返したい……この辺が彼女の持つ望みで、少なくとも家族ごっこ願望と干渉(つーか彼女の中では“侵入”のよな気がする)を拒む姿勢は、相反している。

 家族ごっこを求める原因は、十中八九彼女の家族関係に求められるのでしょう。弟への強い嫉妬、羨望、加えて正しく(なんて言うとアレなのだけれど)情愛もあるのかな。で、干渉を拒むのも、あるいは家族かなあ、とも思う。単純に考えると、彼女がバイトに明け暮れる理由は資金面で親族の援助が利かないから、なのでしょうし。

 しかし、全部家族が原因かというと、そうではないのでしょう。彼女は家族だけでなく、周囲の人間に期待していない信頼していない、心を置いてない。その理由が、「(あるいは特に強く信頼していたかもしれない)他人に自分の夢を侮辱されたから」なのかなー、というと、少し彼女を信じすぎているようにも思えて。

 はたして、結末までに描かれるのか描かれないのか。投げたままで、終わりにはして欲しくないかな。
 だから、10巻ではもう一度彼女と向き合って欲しい。