蒼穹のファフナー 「RIGHT OF LEFT」の軽い感想

 ファフナーって、放送前は「脚本がウブカタだ!観なきゃ!!」と意気込んでいたんですけど、結局その時間帯は起きてられなくて切っちゃったんですよね。え?HDDレコーダ?土日深夜はサッカー録画機と化していますのでw

 で、今回の「RIGHT OF LEFT」。まぬけづらはほとんど事前情報を入れてなくて、12月からの新作だと勘違いしていたんですよね。
ですので、まったり観ていたんですが……展開が早い。
実は単なるSP番組だと言うのに気が付いたのはもうお話が半ばまで進んでから。


感想としては、「こいつ18歳で高校卒業したと同時にラノベ作家デビューしたんだよなぁ……」と思いつつも中々どうして面白かったです。くそぅ面白い話を書きやがって。

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ウブカタテイストとして、彼のプロットの組み立て方ってば「平成の白樺派」じゃないですか。こう、生き方の拙い奴らが、拙いながらも必死に生きて、鬱展開に見せておいて最後には希望が見えてるみたいな(あいつらも報われてれんだよ的な)。そんな感じ。

今回のキャラで言うと、もっとも拙く、もっとも色んなモノに抗っていた人は祐未の親父さんなんでしょうかね。ほんの少ししか出番はありませんでしたけど、漢でした。きっと娘を巻き込みたくないと思いつつも、希望を託していたような。そんな気がします。

それと犬(名前分からないorz)。こいつが危険でした。どこのパトラッシュをリスペクトしているのかは知りませんが、最高にウェットな奴で困ったっての。
中盤、僚以外の人から餌を食わない犬に対して、僚は毒入りの餌を食わせようとするじゃないですか。あの時の犬の動作。僚をじっと見詰めてから、それから餌を食べようとする犬。
同時進行で僚の独白。

「こっちを泣かせようとする卑劣な罠だ!」

と思いつつも、目から汗が出てしまいました。もうね、動物は卑怯。ラストでも泣かされたし。匂いなんて残っていないだろうに、分かるんですね。


 それと、下世話な話になるようですけど僚と祐未の関係。人の生き死にを直に扱っている分、感情の波だとかを割合簡単に描けると思うんですよ。
それを差し引いても、1時間足らずでここまで二人の『絆』を視聴者側にここまで示せたのは僥倖なのではないでしょうか。

作中序盤で、僚と祐未はデートしていて、祐未がプロポーズモドキ。僚は「そういうモノが欲しいんじゃない」と突っぱねる。その後、デート中に父が危篤状態に陥り、そのまま逝ってしまったので祐未は僚に対して、どうしようもない複雑な気持ちを持ってしまう。

中盤、仲違い気味だった二人(祐未が一方的に、ですけど)。仲間がファフナーとの同化現象で次々と倒れていく中、不安に押しつぶされそうになっいた祐未は絶望的な状況でも希望を持っていた僚を見て勇気を分けて貰う。
僚は僚で恐らく、病に冒されながらもこの計画を立てた「祐未の親父さん」のことを考えて、
彼から勇気を貰っていたんだと思います。リリカルな気持ちを。

クライマックス。僚は祐未に
「好きだ。……いや、好き『だった』んだと思う。ずっと前から」

その返答として祐未は
「あなたが好きなのかどうかはよく分からない。いつの間にか好きって気持ちを通り越してしまったのだと思うの」

という言葉を呟く。その後の祐未の台詞から鑑みても、二人はきっと単純な男女間の『愛』も感じていたんでしょうけど、もっとそれ以上の。仲間としての『愛』、家族としての『愛』。そういった気持ちも含んでいたから、お互いが自分の気持ちのことをよく分からなくなっちゃったんじゃないですかね。いや分かりませんけど!

まぁまぁまぁまぁ、今年観たアニメでもいきなりトップクラスに登り詰めたコワイ子ですよ、ファフナーは。あ、ウブカタの漢字が公式にありました。「冲方」ね、辞書登録しとこうかな。



追記:まぬけづらは脚本の冲方丁さんのファンなので、割りと儲的な文章になっていますが、勿論、監督、演出、作監、キャスト陣の皆様など、諸々のスタッフの方々のチームプレイでこの素晴らしい作品が出来上がっているのは分かっていますよー。