Fate/stay night 第4話「最強の敵」の感想文+原作プレイ済ファンの独白

 激ネタバレでは、ネタというよりも答えの先出しをしちゃってます。なので、「ネタを知りたい!」という方には全然分からない話になっていると思いますw
白字で書いていますので、ネタバレ部はドラッグして読んでくださいな。


あらすじ

 監督役である言峰から聖杯戦争に関する説明と皮肉げな啓示を受けた士郎。
モヤモヤとした思いを抱えながらも凛と共に教会から出たところ、自らのサーヴァントを『最強』と称する少女に襲われる……。


キャラクター


衛宮士郎
 自ら死にに行ったおバカな子。愚鈍素直なところがセイバーさんや遠坂さんを惑わせている原因のようです。
真っ直ぐなんですよ。うん。

遠坂凛
 声がね。可愛らし過ぎるのよ。だから格好が付かない。だから「うわ!お前顔は笑ってるけど、怒ってるオーラがプンプンと……」みたいなことにならない。あ、いや今回は別に笑顔じゃなくて単に涼しい顔をしてるだけだけどさ。
追記:凛が指からバシバシ出していたのにはガンドという呪いです。人に指を差すことで病気にする〈ちょっとだけ体調を悪くする〉、という呪いなんですが、凛の魔力が馬鹿な為に弾丸並になっているのです。呪文詠唱なし〈シングルアクションっつーんだっけか〉で撃てるので、効果は弱っちいですけど、凛にとっての主力攻撃手段となっている筈。


セイバー
 まぬけづらは川澄さんでピッタリなんですが、そうでもない方も多いらしいですね。
彼女の言葉遣いは「騎士だとか名乗ってる癖になっとらん」とか仰っている方がいますが、後々正体が分かれば納得する筈です。本来、敬語なんてほとんど必要の無い出ですから。


 皆普通に考えよう。「憧れの先輩の家がある通り」を朝方、私服姿で学園のマドンナが通り掛って何にもない方がオカシイのよ。
血の匂いなんかがしたら、それはもう大変。「そう言えば、最近殺人事件が……」とか危惧したりはしませんかあなた。

イリヤバーサーカー
 イリヤはね。ひとりローゼンメイデンなのよ。それぐらいにアリスでなければならんのよ。アリプロのOP曲みたいな感じをそのまま地で。……舞太じゃ役不足〈ボソ〉
あっとですねー。ギリシャ神話で最強言うたらゼウスじゃペルセウスじゃベレロフォンじゃーとか言っちゃう方。神様と英雄は違いますて。ついでに、ペルセウスだったらテシウスの方がカッコイ…ではなくて。
ちょっと批判ばっかな方はウィキペディアでも見てごらん。
ほうら、ピッタリ嵌り役だ。どうしてアーチャーじゃないの?って問いは禁句。

魔女っぽい美人
 ……萌え美人。エロじゃないのにエロっちぃシーンで大活躍するこの方ですが、そこはカットかそうなのか。


感想

 うん、話はきちんと進んでる。今回はイリヤからの宣戦布告とバーサーカーの圧倒的な強さ、士郎の異常な再生〈セイバーがランサー戦での傷を完治出来ていないのを考えると、瀕死状態からの再生って……〉なんかが出てきた訳ですね。ついでにセイバーの性格の簡単な把握と、凛と桜の意味ありげな会話。これだけが分かっていれば十分なのかな。
ああしろこうしろは下の方で書いちゃったから、この部分で書くことがない、なんてのは内緒w
まぁでも、不満や不安はあるけど楽しんで観られています。ファンって便利だな。



激ネタバレ・キャラコメント

衛宮士郎
 自己犠牲、という風に言われていますがアレは彼なりの贖罪と『焼き付いてしまった理想』が重ね合わさった結果。よく、「救うべき人間」に『自分』を勘定に入れてない事を叱られますが、彼にとって『自己』なんてモノはないのです。ただ『それ』だけしか出来ないと刻み込まれてしまっているのです。
中身のない、『自分』の無い空っぽの箱がラベル通りに~っていうこと。……そういうのが京極さんのパクリって言われる所以だと思うけれど、奈須さんは彼とはまた違った料理の仕方をしているような気も。
そんな感じの彼ですが、『中身』を手に入れたHFが「彼にとって」一番の幸せなのかもしれず、『中身』を与えてくれそうな存在が身近にいてくれるUBWこそが善いのかも。
あ、あと彼の再生は「セイバーからの魔力が逆流」ではありませんよね。「そうではない」ことに凛も気付いていますが、理由が分からなかった為ああいう風に適当な理由を言った、ということだった筈。


遠坂凛
 静かな怒りをずっと仕舞ったまんま冷静で懇切丁寧な彼女。それは彼女なりの「ルール」に従っているからで、滅茶苦茶フェアな人間だと言うこと。
冷たいのか熱いのか分からず、色も濁ってそうな怒りを仕舞い込んでいるどこかの桜さんとは違い、スッキリとしていて好ましいですよね。底が浅いという訳ではなく、深い癖にスッキリしてる。なんだこの矛盾。みたいな。
ほんっとうに大好きですよ、ええそれはもう。


セイバー
 彼女の葛藤。彼女の願い。本当は重要なこと。特に願いが重要で、この部分を後から見直すとよく分かる。伏線というほどではないですけどw
剣の丘で一人、というのはセイバーでありエミヤシロウであると思われがちですが、そこに切嗣と言峰も混ぜてくれぃ。何度も言うけれど、セイバーに近いのは切嗣の方だと思うのよ。


イリヤスフィール・アインツベルン
 アンオフィシャルBBSで「アインツベルンの目的は聖杯の破壊だったのではないか?」と言っていた人が居ました。
まぬけづらなぞは「聖杯の力を善いことに使う!〈のが目的での根源への到達のための導を得ること〉」だと思っていたので、その考察を読んだときはなるほど、と頷いてしまいました。
さて、彼女は切嗣のことを愛していて、それが裏切られたもんだから「憎しみ」という名の愛情のぶつけどころに士郎を選んだ。逆恨みも甚だしいですが、そう思うと辛いよね。辛い衝突だった。きっとヘラクレスも辛かった。
……バーサーカーへの指示は「そいつは再生するから頭を刎ねて~」以外にも、言っちゃえば良かったのに。ちっこくて純真そうな女の子がえげつないことを言うから、凄味が出るのに。



 衛宮邸から朝帰りな凛を見て、彼女が感じたのは嫉妬と焦燥。「血の匂い」と言ったのが黒そうに取られていますが、これは単に恐怖を感じただけじゃないのかな。日常の破壊への恐怖。



独白


 雰囲気がね、巧く作れていないと思うのよ。Fateはよく、少年漫画的な展開と揶揄されるけど、パクリくs〈ry とか言われるけど、大筋の話は王道なのに色々な面を併せ持っていて独特の雰囲気を持っている作品だと、個人的には考えているんですよね〈儲の中には「作ってる奴らが天才」とか言う人がいるけど、それなりの才能を持った制作陣が一丸となって苦労して出した雰囲気なんだと思う〉。

 アニメでそれが出ているか、というと。これは感性の問題なので一概には言えないのですが、出てないorz
まぬけづらはこの作品〈原作ゲームね〉の戦闘描写に惹かれた訳でも、ゲームらしくない演出に膝を折った訳でも、ましてや萌え萌え~としたキャラに平伏した訳でもないのです〈勿論挙げた3つも大事な要員だけど特定の部分が好き、という訳ではないということ〉。

 基本的にはお馬鹿なノリのコメディパートと、拙いながらも真っ直ぐな主人公ズの漢パート。暗くて陰鬱とした雰囲気を漂わせているホラーパート。漢パートとホラーパートの中間ぐらいに入っていて、割合湿っぽいシリアスパート。
これらが渾然一体となってFateは出来ているのですが、多分、コメディパートとホラーパートのギャップが激し過ぎて独特の雰囲気が出ていると思うのです。
 ギャップの激しいホラーパートがすっごく異常に見えるから、その陰が見え隠れするシリアスパートでも背筋にゾワゾワ来たりしてね。

と、原作を褒めるのはここまででいいでしょうw

 アニメ制作陣は多分、それこそ少年漫画的に作品を魅せようとしているのだと思いますが、それってどうなんでしょう。「日常での、のほほんトンでもコメディパート」に対しての「メインストーリー部での凄味を効かせた演出」でギャップを与えなければならんと思うのですが。
その点、真月譚ってよかったよね。まぬけづらは月姫をやったことはありませんけど、ほぼ全編シリアスでぶっ通したのが成功していて、何より演出、というか画面構成って言うのかな?そこに凝ってて滅茶苦茶雰囲気が出てて、引き込まれたモンですが。
多分、月姫も物凄いテキストの量で、心無い人に言わせれば冗長だというぐらい緻密に情景描写・心理描写がなされていたのだと思います。
真月譚は逆に、少ない情報量で巧いこと雰囲気を出して、登場人物には最低限の台詞だけを言わせて後の『答え』は視聴者次第で千変万化ですよー、という作品だったのだと思っています。

尺を考えると、どっかを削らにゃならん。と言うか、奈須さんの阿呆みたいなテキスト量に乗っかってダイジェスト風にするんじゃなくて、必要なところだけ抜き出して、適宜アニメオリジナルを入れて、本来のテーマだけが描ければいいと思うのよ。とすると、セイバーとそれの鏡合わせである切嗣、士郎とそれの鏡合わせである言峰。
この二つのどちらかを主眼にう置かねばならない訳で、Fateは勿論前者。HFは後者。え?UBW?だってアレは結果の話じゃないですか。結果論。アレの名対決は入れておkですけど、Fateを通った後でないとワカランチンな話ですよ、ええ。〈UBWは王道でアツイお話なので、いっそ全編でUBWを貫き通せばそれはそれで盛り上がると思うんですけどね〉

てな訳でごちゃごちゃして焦点があいまいになる、ってことだけが心配。今のところアニメはごちゃごちゃと伏線を連射していてワケワカランチンですがw

キャラの考えが掴めない、という皆様へ。
 彼らは理詰めで行動しているのではないんですよね。つまり、「こうこうこういう性格だから、ああ行動する」という法則に縛られて行動している訳ではないのです。
そこら辺の人物描写は冗長とも言える膨大なテキストで細かく表現されつつ、それでも理解できないことは後から設定が分かって「ああなるほど」と頷けたのが原作なのですが……。彼らは「性格」だとか「信念」だとかというフィクション特有の記号的な法則に則って行動しつつ、それ以外の要素を受けての行動もします。それをリアルと取るか、「キャラ立てが甘い」と取るかは人それぞれですが。「物語の登場人物なんだから、リアル過ぎると読み取りにくい。純文学じゃないんだから」と言われたらおしまいなんですけどねw


トラックバック送信先の皆様

桃月学園blog→戦闘が盛り上がりに欠ける<僕は演出云々じゃなくて、雰囲気作りに失敗していると思うのですが。で、あの雰囲気が再現できないのならスパっとテイストを変えて表現しちゃえばいいのに、と思います。

たこの感想文さん→「面白そう」だけど、感想書きにくい。新設定はもう勘弁!<うんと。……残念ながら、新しい設定はこれからもわんさかと出てくると思います。

せぶんぶりっぢ〈旧みつきちゃん親衛隊blog様〉さん→てっきり、セイバーが最強かと。<登場人物がそう思っていただけなのです。普通、バーサーカーのクラスには弱っちい英雄が当て嵌められて、「狂化」によって能力UPするのですが、ヘラクレス自体が規格外。規格外の英雄に「狂化」をつけると……?

木下クラブlogさん→相葉昂治も真っ青<「お前を笑いに来たんだよ」ですねwう~ん、タイプの違う弱さです。セイバーが可愛いのは、まぁ仕方ないと言えば仕方ない。僕もそう思います〈爆〉

ここには全てがあり、おそらくなにもないさん→セイバーは決して折れぬことの無い剣の体現<じゃあ、折れることを許されなかったボロボロの鉄の棒なんでしょうかね。某彼は。……きっとセイバーは美味しいものを食べれば食べるほどに要求するランクを上げていくんですよ、うん。