うたわれるもの 第22話「忌まわしき契約」の感想文です。

あらすじ
 砦にて迫り来るクンネカムンの軍勢を迎え撃つトゥスクルの宿将たち。しかし、健闘むなしくほとんど為す術もなく薙ぎ倒され、兵も次々と倒れていってしまう。
見兼ねたハクオロは「策がある」と嘯き、一人でアブ・カムゥを引き付けるがそれはやはり嘘で………。







 今回の一件で切ないのはエルルゥであり、ハクオロであり、二人の関係に快いモノを感じていた仲間達であり……というところですよね。

 確かに思い返してみれば、「何故か最初からエルルゥはハクオロにベタ惚れくさかった」って言うのには違和感がありました。でもそれは「ゲーム版→アニメ版の中で削っている部分もあるんだろう(長かったはずの看護や村で生活していくうちに仲良くなったんでないかと妄想)」とか「トゥスクルが“ハクオロ”という名前を与え、アルルゥがすんなり“お父さん”と呼んでいるし、もしかしたらエルルゥたちの父親に似ているのかな?」とかだと思っていたんですよね。
こんな仕掛けだとは思ってもみませんでした。

 つまり、エルルゥとハクオロとの関係と言うのは「お互いが好きあっているから」ではなく「単に契約の履行に過ぎない」ってことなんですよね。少なくともエルルゥ側からは。
もちろん、“契約”は取っ掛かりに過ぎなくて“あの関係”は今までの積み重ねの上で構築した関係なんですけど、今まで契約のことを忘れていただけにエルルゥは自分の気持ちの在り処を見失ってしまうと思うんですよね。他のメンバーだってこの事実を知ってしまったら自分たちが見ていたモノ、信じていたモノが崩れてしまうように感じるんじゃないでしょうか。
何ていうのかな、「おしどり夫婦だと思っていた両親(ここではハクオロ&エルルゥのこと)だけれど、実は病弱な姉(ここではアルルゥのこと)のためだけに続いている関係だと知ってしまった弟ないし妹(ここではトゥスクルの重鎮たちのこと)」みたいな。

 と、これだけでも重大事件なのに、何やらどこぞの研究所みたいなところで小山力也さん声の研究員(?)が出てきて先任研究員(?)と思しき人物に銃で撃たれ、その血液が“ハクオロの本性によく似た彫像”に吸い込まれるという描写が。その、えっと、なんだ。「実は未来の地球のお話です」というオチなんだろうか。“ハクオロの本性”は生物の進化や誕生の鍵を握る超存在とかで。
で、分からないのは“ハクオロの本性”はあの研究員そのものなのか、それとも血液からデータを採っただけで全くの別物なのか。いや、もしも前者だとしたら皆で幸せになるハッピーエンドになり得ますけど、後者だとしたらハッピーに、全て事もなく纏めるのはちょっと難しいんじゃないかな。

ところで今回の題名にもなっている「忌まわしき契約」の文言が前にハクオロとカルラが交わした契約の文言と酷似しているように思えるんですけど、これってなんの意味があるのかしら。カルラは最初っからウルトリィと意味ありげな目配せをしていたりと仲良し風味だったので、ちょっと疑っていたんですが「元々は皇族だったから、教主国の皇女とも知り合いだったのだろう」と納得していました。もしかしてカルラにはそれ以上の秘密があったりするんでしょうか?


おまけ

む、ムックルぅぅぅぅうううう~っ!?

と思っていたら普通に無事でした。頑丈なのね。