Myself;Yourself 第8話「秘密のポスト」の感想文です

 この意味不明な交換日記調で手紙もどきのやり取りをしていた企画には、きちんと意味があったのね。

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日高佐菜

 まぬけづらが一番好きなシチュエーションはひとことで言えば“再起”なわけですよ。物語の途中で挫折を経験しても数話で簡単に浮き上がるのは重みが足りない。けれども最初から沈んでいるのであれば、尺の大半を立ち上がるまでに使える。やっぱりこういうお話が好きだなー。
 
 ベンチで“いい顔”をして立ち上がる佐菜の姿にはやはり心が躍りました。再起の次にまぬけづらの好きなシチュエーションは男の子ががむしゃらに走ることでして、つまりは今回でノックアウトされてしまったわけであります。
ベっタベタなんですが、それでもベタだからこそ燃えるわけですよ!クライマックスで腕時計に目をやり堪えたり、電話で決意表明してみたりもアツかった。

八代菜々香

 お互いが「幼いままでいさせてくれる相手」としてお互いを見ていることは以前から視聴者側には分かり切っていたことではありますが、ようやくこの子らも自覚してきたかね。まぬけづらはそういう関係性でもいいとは思いますが、自覚していることは必要。あとはもう少しバランス感覚もあって欲しい。片方が寄り掛かって片方が支えて、というのを時と場合に応じて反転させられるような関係性が一番好きなので。
二人の関係については今回のアレで解決ではなく次回へと持ち越しとなるみたいですが、抱えている問題の方はどうなるのか読めないところもたくさんあってそちらも気になるところ。


若月修輔
「言えばどうにか出来たのかよっ!俺は……俺は何も出来なかった…何もしてやれなかった!」

と叫ぶ姿には萌えた。本当に泣き出しそうな顔で声を絞り出すように説明するとか、もうね。まぬけづらは惚れそうになっていましたよっ。

 取り敢えず以前雛子に話した「好きとかじゃないけど気になっている女の子がいる」というのは菜々香でいいのかな。まあまだ確定ってほどではありませんし、そもそも「一人だけ」とも明言はしていませんしで分からないことだらけではるのですが。
けれどもまあ、あの台詞に「自分には出来なかったのだから、この10年を知らない佐菜の手でほいほい解決されてしまいでもしたらやるせない」という想いが隠れていると信じて!!

参考リンク:原作ゲームシステム概要

若月朱里

 冒頭の痛々しい空元気に反応出来たのは修輔だけというのは物語の展開というか登場人物ごとの役割分担的に仕方ないのかもですが、やっぱり少し寂しい。佐菜は無理としても麻緒衣ぐらいには気付いて欲しかった。
彼女の抱えている問題は幼馴染ズ全員で解決という流れになるのか、それとも若月姉妹だけで完結してしまうのか。原作ゲームでは修輔も主人公ということを考えるとそれともあり得そうですが、やっぱり佐菜たちも関わってくる方がこの作品らしいと思うんですよね。

織部麻緒衣

 周囲にギャグキャラ空間を発生させている恐怖のキャラクターでありますが、今回のほんの一息空気を緩める程度のことしか出来なかったみたいで。
一応ヒロイン格であるのに完全に放置されている感があるのはうまい取捨選択なのかもしれませんね。


■感想


「この前のお祭りのとき、たぬきが出て来て菜々香が僕に飛び付いちゃったときと同じく、単なる事故」

 菜々香側はあの出来事を特別な思い出として大事にしまっていて、抱き着いてしまったのだって相手が佐菜だったからこそだったわけですよ。それを佐菜が分かってくれていない。自分の気持ちを分かってくれていないどころか、あれを何でもない普通の出来事として捉えている。
それがやりきれないというは確かに菜々香側の一方的な我ままであるんですが、そういう我ままを汲み取ってあげたり付き合ったりしたいと思えないようではいけなくて。何より、やっていることは佐菜の方が酷いわけですし。

「あの頃の菜々香じゃない。僕の知っている菜々香じゃない」

という発言の根は「昔は僕にとって都合のいい存在だったのに今は全然違うんじゃないか」という思いがあるからでしょうし、たとえそんな思いがなくともお仕着せが過ぎる言葉です。フェアじゃない。

しかして、ね。「彼が何でこの場所に戻って来たか」とか「何故“昔とは違う”と頻りに口にするのか」を考えてみると、ね。これまでの電話、腕時計、色々と伏線はありましたが、菜々香の背景が明かされたことでそろそろ彼自身が紐解かれることになるんでしょう。

 本当に毎週楽しみなアニメです。