紅最終回とか

 面白かった。それは確かではあるんですが、星3つかな。

 少なくとも、僕は満足出来なかった。




「紅香さんに教わった動きだけじゃない……崩月流だっ!」

 この台詞に、そしてこの対決に、本作の大事な部分が詰まっていました。
 そう見たからこそ、「あれれー?」という気持ちが拭えない。

 これまで、“角”を必殺技扱いしていなかったり、「(崩月で手に入れた“角”は)自分の力ではない、本当の力ではなかった」という伏線というよりタメもきっちりあったんですが、ううむ。
 何だろう、日々のお仕事の他にも、ひとり鍛練している描写がどっかに欲しかったかな。崩月家を訪ねたときの手合わせはテストみたいなものなので除外として。

 一度直接負けていて、更に師匠である紅香を圧倒するような、真九郎よりも明らかに強い相手。
 それを倒すんですから、バトルメインのアニメではないからこそ、強い説得力が欲しかったかな。

 物語的には大きな意味が込められた戦闘で、あそこで竜士に勝ったのは真九郎が「自分と戦った」結果であり(竜士は戦ってはいない。九鳳院のしきたりについて戦わず盲目的に従っているだけであるから)、何より戦闘力云々ではなく生き様で勝利した、ということなんでしょう。
 まあ、だからこそ、必要な準備があったかと思うんですが('A`)

 まー、でも崩月流には、僕が知悉していないだけで、何だか特別な意味があったのかもしれません。
 弥生さんだって付け焼き刃の崩月流の方が直伝の柔沢紅香流より強いようでしたし(初見だから)、よく分からないけれど凄いのでしょう。


 感想はまた今度書きますが、九鳳院蓮丈こそが“自分”を取り戻す話であったとすれば、また話は違ってくるよなー、と思いますね。
 真九郎と蓮丈がダブル主人公で、紫を守っているつもりで、助けてあげるつもりでいるのに、逆に守られ、“救われる”というお話。

 そういう風に見れば、たとえば崩月家は九鳳院を守る家系であり、そこで伝承される武術が九鳳院を救った、“守った”とか考えると、「そういう意味かー」とか納得出来ないことはない。
 崩月の血を持っていないのに秘儀を受け継いでいる真九郎の姿とかも、あるいは“これからあるべき九鳳院”の指針となっているような節もありますし。