とらドラ! 第5話「かわしまあみ」雑感

 川嶋亜美登場回。

 建前と本音のギャップが激しいことをツンデレって言うのであれば、まさに彼女はツンデレ

 というのは冗談……あながちそうでもない気はしますが、まー、冗談として。

 “人に見せられる本性”なんていうのは、これもやっぱり建前の一部だと思うんですよね。仮に、後腐れがなければ誰構わず本性を現していいということであれば、そもそもうだつの上がらない田舎高校生であるところの竜児の前で“作る”必要もないわけで。

 ではなぜ大河の前であんな態度に出たのかってことを考えると、割りと容易に亜美ってキャラクターが読み解けるような気がする。大河ってば外見だけで言えばちんまくとも美少女。大人しく雑誌を読んでいるところだけを見ると、暴力とは真逆の性質の威圧感を周囲に放っているんじゃないかな。竜児が気付かないだけで、さ。

 無駄に負けん気の強い彼女からすれば、化粧っけもないくせに綺麗な女の子ってのは見ているだけで腹が立つ対象、喧嘩を吹っ掛けるべき対象、なわけなんですね。よって、どうやら彼氏らしい竜児に媚を売って、“女”として軽く勝利してしまおうとした。これで“よく分からない美少女”を下してしまえば、亜美の自尊心が充足されるというだけでなく、牽制・威嚇としての効果が期待できる。
 それは亜美が女優の娘で芸能界にいるということが大きく関係していて、彼女の生きる世界で“食われない”ように身に着けてきた術、なんでしょう。たぶんね。

 「天然の亜美」が過剰になるというのは、「本性の亜美」も過剰になってしまうことと紙一重。“建前”を通し続けるというのは集中力が必要で、度合いに応じてストレスも強く感じてしまう。なもんで、気を緩めた瞬間一気に反動が来る、そういうものなんじゃないかなと。

 だから、北村の「俺は素の亜美のままでお前たちと付き合って欲しいと思うからさ」という台詞や夕方の教室で大河と亜美が二人っきりになったシーンを例に取るまでもなく、彼女は張り詰め過ぎている、ということが伺えるんじゃないかなと思いますね。

 今回のポイントって他には「竜児ってば自分に偏見なく接してくれる女の子なら誰にでもデレデレするんじゃね?本当は女の子に構いたくてうずうずしているのに、超絶臆病な受け身体質なだけなんじゃあ?」という点が垣間見えてきたところとか、「みのりんの天然アピールはスルーなのかそうなのか」とか、「現役ヤッターマンの前でそのネタか」とか、今回もモブ役おめでとうミルノさん!とかでしょうか。この辺押さえておけばなんとでもなりそう。

 ……酷いことを書くようですが、大河にとってはじめての対等な友達って亜美なんじゃないかな。竜児もみのりんも大河のことを馬鹿にしている節があるんですよね。みのりんの方はその自覚があって、そんな自分に対する自己嫌悪がありつつ、けれども行き過ぎて自己陶酔もありつつ、みたいにアレな状態のようではありますが。で、北村はねー。またこいつは分からんキャラですよ。

 や、次回も楽しみです。